皆さん… V型2気筒の船外機をご存じですか?
え~ 知らない!
ってな感じですよね !?
今回は、このV型2気筒の船外機 SUZUKI DF25 の分解整備についてのお話しです。
船外機の分解整備(修理)は日常的に行っておりますので特段変わった事はありませんが、このV2船外機がそれ程無いタイプで、少々珍しかったので触れる事にしました。

こちらが、そのV2エンジン(船外機)の右舷側から見た画像です。
右側が船首で、左側が船尾となります。

こちらが、左舷側から見た画像です。
右側が船尾、左側が船首となります。

この手前に見えるダイカスト製の物体が、インテークマニホールドです。
左右それぞれのバンクへ向かっております。
船尾側から見た画像となります。

こちらは船首側から見た画像で、キャブレーターが取り外された状態です。
それにしても勇ましい?インテークマニホールドです(笑)

今回、修理(整備)の依頼を受けたこの船外機ですが、明らかに何年もの間、整備が行われていない状態でした。
必要箇所の修理の為の分解は勿論必要となりますが、全体的な清掃も含め、手の届き易い様に、いくつかの部品を取り外して整備を行う事にしました。

キャブレターは、オーバーホールをしますので当然取り外しますが、フライホイール、セルモーター等の電装品も取り外しました。
勿論、サイドカバーも外し、整備の利便性を図りました。

こちらは分解されたキャブレーター。
燃料供給システムがキャブレーターである以上、ほぼ間違いなく分解清掃を実施します。
分解途中の画像ですが、細かなジェット類迄極力分解します。
燃料系統の生命線ですから…。

キャブレター内部の各通路が綺麗な状態に戻す事が重要です。
低速経路… 高速経路… 全てです!
仕組みを理解しながら丁寧に清掃を行います。
実はキャブレターって、非常に繊細に燃料、及び空気の量を管理しているのです。

整備不行き届きのこの船外機…
インペラもボロボロです。
この様な状態になった船外機の場合、シリンダブロックにダメージを受けていないか(焼き付き)、圧縮圧力を確認しておく必要があります。
そして重要なのが、インペラの破片の行方です!
まぁ その破片の追跡の為、パワーヘッドを取り外す事も時々あります。

インペラのみならず、状況に応じてフェイスプレート(シルバーの板)も交換します。
今回は迷わず交換しました。
破損したインペラの画像のフェイスプレートをご覧下さい。
摩耗により溝が形成されております。

分解途中の画像
今回のこの船外機ですが、長期間整備が行われていない状態でした。よって、数々の箇所の修理や整備が必要なエンジンでしたが、無事に仕上げる事が出来ました。
特に古い年式のエンジン修理の際には、お客様の求める予算内にて再生が可能か? その後のエンジントラブルの推測… 等々を見極めてから修理を開始する必要があります。
状況に応じて、新品の船外機に入替える事を提案した方が、お客様にとって親切な場合もありますね。