ボルボペンタ D3-220 ディーゼル船内外機の定期点検整備を行いました。
このエンジンが搭載されているのは 36ft のモーターボートで、2機掛けとなります。
今回は、そのエンジン整備とは関係なく、プロペラに軽く触れてみようと思います。
今回メンテナンスを行ったドライブには、1本のプロペラシャフトに2個のプロペラが取り付けられております。そう言えば、昔(25年程前)、ヤマハのバスボート専用船外機「VMAX」にも、そんなのが有ったよなぁ~ なんて思いながら作業をしておりました(笑)
ちなみに、ボルボペンタでは「デュオプロ」、ヤマハでは「TRP(ツインローテーションプロペラ)」と呼ばれております。

エンジンは、ボルボペンタのディーゼル船内外機「D3-220」220馬力の2機掛けです。
奥の白いBOXは、定評のある KOHLER のディーゼル発電機。

エンジンルーム内に潜り込んでのオイル交換… 船外機整備が日常の私にとっては、少々楽しい作業です。

2機同時にギアオイル交換。
尚、他の作業も同時進行して、仕事効率化を図ります。

地味ですが、プロペラシャフトのメンテナンスは重要!
定期的に脱着を行い、グリスを塗布しましょう。
特にソルトユーズでは、プロペラの固着防止に有効です。

プロペラの再装着です。
こちらが奥側。

外側のプロペラも戻して完了。

このボルボペンタのデュオプロでは、奥側、外側のスプラインの位置関係は気にする事なく装着が可能ですので楽ですね。

2機のドライブに、計4個のプロペラ… 全部で60万円以上の金額です。要破損注意です!
ここからが本題です。
以下は、今回撮影した画像ではなく、以前、私が輸入したバスボート「トライトン TR-18」と、その艇に搭載したヤマハ船外機 D150H 通称「VMAX150 TRP」となります。

デュオプロ / ツインローテーションプロペラの使用が解禁となり、ヤマハのバスボート専用船外機「VMAX」に採用されました。画期的でしたね!

こちらが、ヤマハのバスボート専用船外機「VMAX」
モデルは「D150H」となります。

ヤマハ発動機が初めて船外機に採用した TRP / ツインローテーションプロペラです!

このTRPでは、奥側のプロペラと、外側のプロペラの位置関係が重要となり、外側のプロペラを装着する際には注意が必要となります。
TRP走行インプレッション(小話し)
衝撃的でした… その走り…。(もう25年程前の事ですが…)
別に良い訳でも、悪い訳でもありません。かと言って、それは普通でもありませんでした。
良い面は有ります! 悪い面??? 楽しくない…(笑) いやいや、そうでもない…。
何が言いたいのだ!? ってな感じですみません。
別物なんですよ! シングルプロペラの走りと、TRPの走りは…。
とにかく浮きが早いです! プレーニングが早いです!(滑走状態になるのが早い)
滑走型のバスボートのプロペラセッティングって、比較的大きなピッチのプロペラを使用する事になります。
その大きなピッチのプロペラを使用してボートをプレーニングをされる為には、一旦、スロットルを大きく開ける必要があり、その際、一気にトランサムが沈み込みます。 が、TRPにはそれが無いのです。
ゆっくりスロットルを開け、2,000RPM程で滑走してしまうのです。
しかもボート全体が浮きます。そして、右回転プロペラと、左回転プロペラの力が相殺され、非常に優等生的な真っ直ぐな走りをしておりました。良い子です…(笑)
その優等生的な仕上がりは私の好みではありませんでしたが、使用状況によっては、とても有効なプロペラシステムであると感じております。
2,000RPM位でトランサムを沈み込ます事なく水平に巡行させ、魚探を掛けたり、同時にクイックドローシステムを使用しながら等深線図を作図するのには最適だと思います。
しかし… そのTRPドライブは現在姿を消してしまいました。何かがバスボート市場にマッチしなかったのでしょう!?
でも期待はします… バスボート市場とは別に、 “ツインローテーションプロペラ船外機” の市場投入を…!
まぁ個人的には、シングルプロペラを装着したオーバーパワー気味の、言う事を聞かない(効かない)じゃじゃ馬を、あて舵(カウンターステアリング)をしながら調教をして、真っ直ぐな子に育てるのが好きですね(笑)×2
その辺りですかねぇ??? バスボート市場にマッチしなかったのは…。