バスボート用トレーラーの最大積載量を、500kg から 950kg に変更しました!
積載するボートが17ft のトライトンボートに対し、このトレーラーの最大積載量は 500kg…
このままでは積載重量超過にて道路交通法違反となってしまいますので、合法的に公道を走行出来る様に、最大積載量の「増トン」を行いました。
増トンとは: 最大積載量を増やす事。
最大積載量の設定について
では、最大積載量を何kg に設定すれば良いのでしょうか?
そこには一定のルールが有り、審査事務規定の7-4に該当し、車両総重量については「自動車製作者が定めた車両総重量の許容限度が明確な自動車の車両総重量にあっては、これを超えてはならない。」とされており、自由に設定する事が出来ないのです。
今回のボートトレーラーの製作者は、トライトンボート社よりボートトレーラーの製作を請け負っている、米国の「マリンマスター社」です。
そして、そのマリンマスター社が定めた車両総重量(許容限度)は、2720LB (1234KG) …
この数値は、トレーラー本体のFMVSSラベルから読み取る事が出来ます。
つまり、車両総重量 - 車両重量が、最大積載量となり、今回のケースでは950kg が最大積載量となりました。
車両総重量が750kg 迄であれば問題無いのですが、今回はそれ以上となってしまいますので「主ブレーキ」が必要となります。
しかし、このトレーラー…
その主ブレーキが取り付けられておりません(汗)
よって、主ブレーキ(今回は、油圧慣性ブレーキを使用)を取り付ける事になりました。

トレーラー前部の連結装置に、油圧慣性ブレーキシステムの構成部品となるアクチュエータ(油圧シリンダ)を取り付けました。
元々使用していたシンプルなカプラーを切断し、新規にアクチュエータを組み込める様、アウターメンバーを本体に溶接し、更に塗装を施しました。

スピンドルにハブ一体型ディスクローターを組み込み、キャリパーと共に取り付けます。
アクチュエータとの間を油圧ホースで接続し、油圧慣性ブレーキシステムを構築します。
改造申請について
主ブレーキとなる油圧慣性ブレーキシステムが取り付けられましたので、構造変更による検査となりますが、こちらは改造に該当する為、事前に申請が必要で「改造自動車届出書」の提出をしなければなりません。
つまり、そのまま検査場にて持ち込み検査を受ける事が出来ないのです。
そして、その改造項目に「制動装置」が含まれる為、運輸支局への申請ではなく検査部への申請が必要となってきます。
ちなみに、その申請書は「組立車届出書」以上の内容が求められますので、ちょっと大変ですね。
細部に渡る書類審査が行われ、問題が無い事が確認されると決裁が下り「改造概要等説明書(改造自動車審査結果通知書)」が発行され、実車を検査場に持ち込む事が許可されるのです。
今回は決裁が下りる迄、約1カ月かかりました。

車両持ち込み検査
さて、いよいよ運輸支局の測定コースにて受検です。(今回は、予備検査にて受検)
今回の改造内容は以下の通りで、車検証の備考欄に記載されます。
1 車枠・車体
2 制動装置
3 走行装置
4 連結装置
こちらの画像の書類(備考欄記入事項連絡票)は、車検証が発行される前のものです。
実際の車検証の備考欄に記載される、改造内容の指示書ですね。

元々の最大積載量は 500kg でした。

検査が終わり、最大積載量が 950kg になりました。

今回は、車検有効期限切れの車両を移転登録、及び一時抹消させ、松本自動車検査登録事務所にて予備検査として受検した為、臨時運行許可(仮ナンバー)にてトレーラーを回送しました。
ちなみに、そのままの登録(ナンバー)を生かすのであれば、管轄の運輸支局にて構造変更の検査となります。
(注意:構造変更を行うと、残っていた車検有効期限は切り捨てられます。)
今回の様に、積載するボートに対し極端に最大積載量が小さいトレーラーが多く見受けられます。
これは、過去に行われていた良くない検査登録の証しですね。
多くの場合は、その利用者となるお客様がけん引免許を所持していない為、意図的に最大積載量を小さくさせているケースと、費用を抑える為にブレーキシステムを組み込まずに輸入したトレーラーを、意図的に最大積載量を小さく登録させたケースです。
マリーナ置きであれば問題有りませんが、一般道を走行する場合には道路交通法違反となってしまいますので、十分に気を付ける必要が有ります。
構造等変更検査の業務
当店では、今回の様な「増トン」又は、その逆となる「減トン」の作業を行っております。
どちらの作業も、その車両の状態によって出来かねない場合がございますが、気になる方はご相談下さい。


