16ft 和船 トランサム修理

トランサム ボート

ヤマハ16ft和船のトランサム修理を行いました。
経年劣化によるトランサム部分のクラック、及び艤装時の穴開け加工部分から、長年に渡り じわじわと水が浸水し、トランサムの心材となる板が腐っておりました。


トランサムのクラックは、お客様の手により補修されておりましたが、作業工法が適切でない為浸水… 気が付けばトランサムの心材は腐り、船外機を安全に保持出来る強度がありませんでした。


ホームセンター等で売っている様なパテで盛ってあったり、簡単にグラスファイバーを巻いてあるだけで、キッチリとした修理は言えない状態でした。


案の定、トランサムの心材となる木材は腐っており、ボロボロの状態でした。
当然強度なし。船外機脱落の危険性もあります。


腐った心材の板を全て撤去します。
丁寧に除去しておかないと、そのまま再度閉じ込めてしまう事になります。
面倒ですが、そこは地道に作業を行います。


腐った心材を除去した後、元のFRPにグラスファイバーを積層して下地を作ります。
重要なベース作りです。


出来上がった下地に、あらかじめ作成をしておいた新たな心材を隙間なく埋め込みます。
わずかな隙間埋めには、ポリエステル樹脂を主材としたパテを使用します。


ガラスマット、及びロービングクロスを使用して積層をします。


積層されたFRPの整形処理をします。


トップコート(ゲルコート)を塗布します。
トランサムボード、Uボルト等を取り付けて出来上がりです。


トランサムの心材には木材が多く使われております。そのトランサム部分には艤装により穴を開けられる場合が多々あり、その部分からの浸水が完全には避けられず、トランサムの心材となる木材が腐るケースは非常に多いです。
近年では船外機の主流は4ストロークの為、同じ馬力でも2ストロークよりも重くなっているので、安易に船外機の載せ替えとはいきません。
重たい船外機搭載に、十分耐えられるだけの、強固なトランサムが必要不可欠となります。