スナガボート和船 17ft 整備記録
ボート(艇体)の整備記録
ボート(艇体)の整備記録の一部を画像と共に掲載しております。
元々は淡水(芦ノ湖)で使用されていたスナガボート製の和船をレストアしました。
海釣りでの使用を意識し、尚且つ出来るだけシンプルに仕上げております。
次のオーナー様が、自分仕様にカスタマイズし易いボートだと思います。
塗装される前の状態です。
塗料の密着を高める為に、丁寧に下地処理を行っております。
耐水性のプラサフにて下塗りを施しております。
ハルサイドは2液性のウレタン塗料にて塗装されております。
ボトムはヤマハの船底塗料(パワープロテクター)を使用しております。
デッキ内側(前部)
ゲルコート(トップコート)の塗装にて仕上げております。
こちらは後部の画像です。
白、黒、グレーの3トーンカラーで、シンプルで綺麗な和船に仕上がりました。
ガンネルは黒色の新品に交換済みです。
注意:トレーラーは付属しておりません。
トランサムに開けられたビス等の穴から長年に渡り微量の浸水が有った様です。
トランサムの板が腐食しているサインが出ております。
茶色い水跡です…。
外側のFRPをカットし取り外してみると、内部のトランサムの心材(木製の板)が予想通り腐食しておりました。
これでは十分な強度が保たれません。
腐食していたトランサムの心材を全て取り除きました。
コンパネ2枚重ね(合計24mm)の心材を作成し、隙間なく貼り合わせました。
埋め込まれた新たなトランサム板に、ガラスマットを積層し、微妙な厚み調整を行います。
切り取った元のFRPの板を再使用し、元に戻しました。
トランサムの修理が完了しました。
これにより十分な強度が保てる為、現在の主流となる、比較的重量の重い4ストローク船外機の搭載にも耐えられる様になりました。
FRPのダメージも見受けられます。
この程度なら比較的容易に修理を行う事が出来ます。
FRP作業により修復されました。
合わせて各所に有ったダメージも直しております。
海での使用を考え、沿海デッキ(波除甲板)を作成しました。
コンパネを使用し、ガラスマットを積層した物です。
各部のハッチ類も紛失しており、新規入手も困難な為、FRP作業にて製作です。
登録長の13%にあたる長さの沿海デッキを取り付けました。
これにより、海での使用が可能になります。
コンパネにて作成されたリヤハッチの蓋です。
ガラスマットの積層と、ゲルコート(トップコート)が塗布されております。
こちらはイケス(ライブウェル)の蓋です。
こちらもリヤハッチ同様に製作しており、ノンスリップ加工も施されております。
元々有ったイケス(ライブウェル)のスカッパーはFRP作業にて埋めております。
イケスとしての利用を希望する際には、新品のスカッパーを取り付けます。
スカッパーの穴埋めをされたイケスは、物入(ドライストレージ)として使用出来ます。
内部も綺麗に塗装され、容量も十分なスペースとなっております。
新品の黒色のガンネルを全周に渡り取り付けました。
ここが綺麗だと見栄えも良いです!
ホワイトとグレーの艇体に、ブラックのガンネルがストライプ効果にてとても良く合います。
トレーラブルボートを意識して、タイダウンベルトによる固定がやり易い様に、Uボルトを取り付けました。
折角手間暇かけて修復したトランサムです。
コーキングによる防水処理をキッチリと行います。
簡易的ではありますが、検査に合格出来る基準の小型ベンチレーターも取り付けられております。