バスボート「Ranger R72」に搭載されている、船外機の換装作業を行いました。(エンジンの載せ換えです。)
元々搭載されていたのは、マーキュリー 125馬力 2ストローク船外機です。
そして、新たに搭載したのは、スズキ 140馬力 4ストローク船外機となります。
しかし、この船外機… 17ftクラスのバスボートに対しては、オーバーパワー&オーバーウェイトとなり、特に重い船外機搭載によるスターンヘビーが懸念されました。
つまり、トランサム部の沈み込みです。
よって、浮上検査(臨時検査)にて、問題ないか? 確認を行う事となりました。
この様なケースの場合、「臨時検査」が必要となりますので、知っておいても良いと思います。
今回は、その臨時検査について触れてみる事にします…。

対象艇は、レンジャーボートのR72, 17ftクラスのバスボートです。
馬力的にもオーバーパワーとなりますが、JCI(日本小型船舶検査機構)による事前計算では、大幅な馬力超過には該当しなかった為、その部分はクリアーとなりました。
しかし…
重量に関しては計算上、少々問題あり… 実際に水に浮かべて確認を行う必要がある旨の回答でした。
よって、臨時検査を行い、船尾乾舷を計測する事となりました。

前述の通り今回は、浮上検査により、船尾乾舷を計測する必要があります。
船尾乾舷とは、船尾(トランサム)部分のガンネル上部から、喫水線(船が浮いている状態で、船体と水面が交わる位置 → まぁ 水面ですね)迄の距離の事です。
但し、水密が保たれていなければガンネル上部からの計測とはならず、浸水するであろう下限から測る事になります。
今回は、ボートの外側に向けて取り付けられていたベンチレーター(換気口)が、ガンネル上部より下の位置にあり、そこから浸水するとみなされた為、そのベンチレーターの最下縁からの測定になりました。
結果、不利な数値を読み取る事となり、船尾乾舷が十分に得られなかった為、定員が4名から3名に減る事となりました。
勿論それは正しい検査の為、異論はございません!
この段階で定員の変更が確定し、船舶検査証書の書換が必要となりました。
今回の、臨時検査のまとめ
①事前の机上計算結果、オーバーウェイトが認められた為、臨時検査を実施。(浮上検査)
②船尾乾舷の実測結果により、定員を減らす必要があった。(定員変更の為、船舶検査証書の書換が必要)
③日本小型船舶検査機構に対し、船舶検査証書の書換申請を行う。
④新しい「船舶検査証書」、及び「船舶検査手帳」の発行
と、言った流れでした。

スズキ 4ストローク船外機 “DF140BTL” です。
ニューホワイトカラーがお洒落ですね!
SUZUKI DF140BTL
140馬力 (6,000RPM)
総排気量: 2,045㎤
重量: 189㎏
メーカー希望小売価格: ¥1,991,000-(税込み)
当店販売価格、及び換装に伴う工賃等につきましては、お問い合わせ下さい。
この、オーバーウエイトでスターンヘビーとなった、レンジャーR72…
一体どんな走りになるのでしょうか?
楽しみ? 不安? いや、勿論楽しみです(笑)
船舶検査証書・手帳が発行され、慣らし運転を終えたら、後日、インプレッションですね。
プロペラの選択肢も限られる状況… さて、結果は…⁉